医療行為は本来介護士が行う役割ではありませんが、口腔ケアや爪切りなどできるものもあります。高齢者にとって、口腔ケアで口の中を清潔に保つことは、全身の健康に直結するケアです。介護士は正しい知識を身につけて、利用者の健康を守ることが必要です。
高齢者のなかには、義歯で生活している人もいます。正しい知識が身についていないと、義歯を清潔に保つことができなかったり、正しく装着できず、利用者に不便を感じさせてしまうことになります。介護士は、口の中の残渣物の取り方や歯の清掃方法の他にも、義歯の扱い方についても学ぶことが大切です。
また、爪切りも介護士が可能な医療行為です。爪が伸びすぎた場合、些細なことでケガをしてしまったり不衛生になる可能性があります。介護士は、定期的に利用者の爪の伸び具合などを確認して適切に切る必要があります。
ただし、介護士が爪切りを行う場合には、いくつかの条件があります。それは、爪に異常がなく、本人の状態が安定している場合です。爪が割れていたり爪の周辺に炎症がある場合などは、医師や看護師に相談することを心がけましょう。
また、利用者が興奮しているときなどはスムーズに爪切りができないこともあるため、介護士は利用者の状態をよく観察してから実行することが適切です。
この他にも、耳掃除やパウチに溜まった排泄物の除去など、介護士ができることはたくさんあります。介護士は、正しい医療知識を身につけて、利用者が快適な毎日を送れるようにケアを行うよう心がけることが大切です。